AIで賢くなった人ほど、孤独になる。
これは、少し残酷な話です。
AIによって、
誰でも簡単に賢そうなことを
話せる時代になりました。
本を読まなくても要約してくれる。
難しい言葉も教えてくれる。
企画も考えてくれる。
文章も書いてくれる。
昔なら何年も勉強しなければ
身につかなかった知識へ、
数分でたどり着けるようになりました。
でも、その一方で、
ボクは最近、とても気になることがあります。
AIを使う人ほど、孤独になっていないか。
実は、この現象。
AIが生まれるずっと前に、
ボク自身が経験しています。
学ぶほど、人が離れていった。
20代の終わりから30代にかけて、
ボクはとにかく本を読みました。
マーケティング。
心理学。
コピーライティング。
哲学。
経済。
行動科学。
読めば読むほど、
世界が広がっていきました。
「ああ、そういうことだったのか…」
そんな発見の連続でした。
そして、自分は成長している。
そう信じていました。
でも、現実は逆でした。
本を読めば読むほど、
人が離れていったのです。
友人との会話は
噛み合わなくなりました。
発信も以前ほど
反応されなくなりました。
「なんで、こんなことも
みんな知らないんだろう」
そんなことを、
心のどこかで思うようにもなりました。
もちろん、
口には出していません。
でも、知識が増えるほど、
相手との距離は
少しずつ広がっていきました。
当時のボクは、
知識が増えれば、
価値も高まる。
そう思っていました。
でも、それは違ったんです。
知識は、価値ではない。
今なら分かります。
ボクは知識を増やしていました。
でも、
知識を、人へ渡す力。
これが決定的に
足りていませんでした。
知っていることと、
伝えられることは違います。
伝えられることと、
相手が動けることも違います。
知識は、
誰かが動ける形へ変換されて、
初めて価値になります。
ここを勘違いすると、
知識は人を豊かにするどころか、
人を孤独にします。
AIは、その孤独を加速させる。
AIは本当に優秀です。
だからこそ危険です。
質問すれば、専門家のような
鋭く適切な答えが返ってきます。
それを読めば、
理解した気になります。
話せば、自分の知識に
なった気もします。
でも、その知識で、
誰かの悩みは軽くなったでしょうか?
誰かの行動は変わったでしょうか?
現実でそれを試したでしょうか?
もし、そこまで行っていないなら、
それはまだ、
AIから借りた知性
であり、
自分のものではないです。
ボクはこれを、
AI借用知性
と呼んでいます。
AIから、
知識を借りることはできます。
でも、
経験だけは借りられません。
自分で実践するしかないんです。
AI時代、本当に価値が上がる人
AI時代は、
知識を持っている人が
ますます増えます。
だから、知識そのものの価値は
下がり続けます。
代わりに価値が上がるのは、
知識と人を橋渡しできる人です。
難しいことを、
分かりやすくする。
大きな目標を、
今日できる行動へ変える。
相手の現在地に合わせて、
言葉を選び直す。
そして、実際に
一歩踏み出せるところまで伴走する。
この力は、
AIが進化すればするほど、
むしろ価値が上がっていきます。
ボクが今、一番大切にしていること
だから最近の朝活では、
「何が大事ですか?」
よりも、
「それを、今日どうやるんですか?」
を聞くようになりました。
目的ではなく、手段。
抽象ではなく、具体。
知識ではなく、行動。
そして、自分が動くだけではなく、
内容を知った相手も
自然と動ける形まで落とし込む。
そこまでできて、
初めて学びは社会的価値になります。
AI時代に価値が上がるのは、
知っている人ではありません。
知ったことを、
誰かが動ける形へ変換できる人です。
だからこそ、
問われるのは知識量ではなく、
あなたの知識によって、
今日、誰かが一歩動いたか?
その一歩こそが、
AI時代の本当の価値になるのです。
これからボク自身も、
知識を集める人ではなく、
今後も知識と人をつなぐ橋を架ける人で
ありたいと思っています。
奥田 裕之
※本日、午後8時からYouTubeにて
小説「コンビニ人間」を読んで
・普通とは何か?
・本音を話すことの価値とは?
について講義します。



